
P波
心房の収縮を表す波をP波と呼ぶ。
QRS波
QRS波は心室の興奮を表す。
QRS波は様々な形態をとるため、QRS波の呼び方には以下のようなルールがある。
- 最初の陰性波をQ波と呼ぶ。
- 最初の陽性波をR波と呼ぶ。
- 陽性波の後の陰性波をS波と呼ぶ。
- それ以上の陽性波はR’波、陰性波はS’波と呼ぶ。
- 大きい波は大文字で表し、小さな波は小文字で表す。(大きさの厳格な基準はない)
- ※例外として、陰性波が一つだけある場合には、QS波と呼ぶ。
従って、それぞれ以下のようになる。

心室興奮時間(VAT)
電気的興奮が心筋の内膜から外膜まで伝わる時間。QRS波の立ち上がりからピークに達するまでの時間。
T波
心室の再分極を表す波。
ST部分
QRS波の終わりからT波のはじまりまでの部分。
等電位線(isoelectric line)

T波(U波)の後〜P波の前の部分で、心臓において電位差が生じていない。
U波
T波の後に見られる低い波形。
PQ時間
P波の始まりからQ波のはじまりまでの時間で、房室伝導時間を意味する。
QT時間
Q波の始まりからT波の終わりまでの時間で、心室の収縮時間を表す。
PP間隔とRR間隔
それぞれの波の開始点同士で計測する。

収縮(beat)と調律(rhythm)
1拍だけ出現したものを収縮(beat), 2拍以上連続して出現したものを調律(rhythm)という。
期外収縮(extrasystole, premature contraction)と補充収縮(escape beat)
予定より早く収縮が出たものを期外収縮(premature contraction)といい、予定のところで収縮が出なかったため、それを補う形で異所性に出たものを補充収縮(escape beat)という。
頻脈と頻拍(tachycardia)
心電図上での頻脈は、運動や発熱による生理的な洞頻脈を指し、病的なものでない。頻拍は、病的な不整脈によるものを指す。
二段脈
脈の間隔が長短を繰り返すもの。(ex 洞調律と心室性期外収縮が交互に出現する場合)