step1:3Cを意識して重要鑑別疾患想起

・以下の3Cを意識して、鑑別疾患を3~5個程度想起する。鑑別疾患では、critical disease (頻度は少ないが見逃してはならない重篤な疾患)が最も優先される。

critical disease (頻度は少ないが見逃してはならない重篤な疾患)

common disease (頻度の多い疾患) 

curable disease (治療可能性のある疾患)

step2: SQの作成

・step1で鑑別疾患が多すぎるor少なすぎる場合には、SQ(semantic qualifier)を作成する。

・SQ(semantic qualifier)とは、医療面接で患者から聴取した言葉からキーワードを選び、医学的に整理・抽象化した言葉である。(例えば、「体位変換時に」「繰り返し突発する」「部屋がぐるぐる回るようなめまい」はparoxysmal positional vertigoとなる)

・SQに利用するキーワードは、推論の起点となるような特異度の高い情報を2~3個(多くても3個)選ぶことが大切である。

step3: 解剖学的アプローチ

・SQに局所症状がある場合には、まず解剖学的アプローチを試みる。(例えば、SQに、”胸痛”が含まれる場合には、肺、心臓、胸膜などの病変を考える。)

step4: 病態生理学的分類による疾患の想起(VINDICATE+P)

・step3の解剖学的アプローチが使えない場合に行う。

“薬剤性”も常に忘れないこと。

Vascular(血管性)

Infection(感染)

Neoplasm(新生物)

Degenerative(変性)

Intoxication(中毒)

Congenital(先天性)

Allergy/Autoimmune(アレルギー・自己免疫性)

Trauma(外傷)

Endocrine/Metabolic/Epileptic/Environment(内分泌・代謝・癲癇・環境)

Psychiatric/Psychogenic(精神性・心因性)

・※突発性発症の場合には、以上のうちVAPESに絞られる。S:Seizure/Sleep(発作・睡眠)である。