・血中カリウムの値が5.5mEq/L以上を高カリウム血症と言い、治療の適用となる。

・心電図では、細胞外のカリウムが増加するため、再分極の勢いが強くなり、テント状T波が見られる。

また、静止膜電位上昇により、Naチャネルの働きが低下し、心房や心室にて脱分極が起こりにくくなる。その結果、洞室調(心房は影響を受けやすい)、QRS時間延長(心室内伝導障害)といった心電図変化を見る。

・血中カリウムの値が7mEqを超えると心室細動心停止の可能性があり、緊急治療の適用となる。

静止膜電位

・静止時にはNa+-K+ポンプの能動輸送により、Na+を細胞外にK+を細胞内に運んでいるので、Na+濃度は細胞内よりも細胞外で高く、K+濃度は細胞外より細胞内で高くなっている。

・Naチャネルは閉じているが、一部のKチャネルが開いている。(K漏洩チャネル)このため、濃度勾配に従ってK+が細胞外に漏出する。

・K+という+の電荷を持ったイオンが細胞内から細胞外に流出するため、細胞内の電位(膜電位)は細胞外に比べて低電位となる。この膜電位を静止電位と言い、-90~-60mVである。(次項参照)

電解質差と平衡電位

・以下のようにA+B-に電離する物質ABを左の容器に溶解させた場合を考えよう。

・+の電荷を持つA+は濃度勾配に従って、左から右へと移動する。(状態1)

・+の電化を持つA+が右に移動するため、左は右に比べて低電位となる。これによりA+を左に戻そうとする電気的引力が働く。(状態2)

・A+の濃度勾配による力と電気的引力が釣り合うとA+の左から右への移動は平衡状態となる。この時の電位を平衡電位という。(状態3)

※平衡電位