左脚前枝ブロック

・左脚前枝に伝導障害が生じた病態。前枝と後枝では、前枝が障害されやすい。(前枝は長く細く、大動脈弁近くを走行するために石灰化病変に巻き込まれやすいため)

・心電図の特徴は、①著名な左軸偏位、②Ⅰ、aVLでqR型、③Ⅱ、Ⅲ、aVFでrS型を示す。

・左軸偏位をきたす疾患として他にも、左脚ブロック、下壁梗塞、左室肥大、心室性期外収縮ペーシング波形WPW症候群等が挙げられる。これらの原因が考えられない場合に左脚前枝ブロックを考えたい。

左脚後枝ブロック

・左脚後枝に伝導障害が生じた病態。頻度は左脚前枝ブロックよりもずっと稀である。

・心電図の特徴は、①電気軸が著名な右軸偏位②Ⅰ、aVLがrS型③Ⅱ、Ⅲ、aVFがqR型である。

右室肥大との鑑別が必要である。

左脚前枝ブロックと左脚後枝ブロックの比較

左脚前枝ブロック 左脚後枝ブロック
左軸偏位 右軸偏位
Ⅰ, aVLがqR型 Ⅰ, aVLがrS型
Ⅱ, Ⅲ, aVFがrS型 Ⅱ, Ⅲ, aVFがqR型