非定型細菌

・非定型細菌の代表例は3つあり、マイコプラズマクラミジアリケッチアである。マイコプラズマは細胞壁を持たず、クラミジアやリケッチアは細胞内に寄生するため、細胞壁をターゲットとするβラクタム系が無効である。

マクロライド系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系あたりがよい適用である。

Mycoplasma(マイコプラズマ)

若年者(小児~青年)に肺炎を起こす。乾性咳嗽(痰が絡まない)や聴診所見に乏しいことが特徴である。若い人の発熱+激しい咳を見たら本疾患を疑って、胸部Xp撮影を考慮したい。

消化器症状(下痢・嘔吐)皮膚症状(紅斑・蕁麻疹)肝障害など様々な症状を呈することがある。

Chlamydia(クラミジア)

・クラミジアは以下の3種類に分けられる。ただし、治療は一緒であるため、臨床上では一括して「クラミジア」と考えてしまって良い。

C.trachomatis 性感染症で尿道炎・新生児の結膜炎(トラコーマ)の原因
C.pneumoniae 比較的軽症の非定型肺炎
C.psittaci オウム病。比較的重症の非定型肺炎

Rickettsia(リケッチア)

ツツガムシ病の原因菌。野外活動の1〜2週間後に発熱や悪寒など一般的な感染症状に加え、麻疹のような皮疹が全身に広がる。DICを引き起こすことがある。

・診断のポイントは刺し口を見つけること。治療は上2つと違いテトラサイクリン系が第一選択である。