・胆管炎とは、総胆管結石(最多)や悪性腫瘍、胆道変更術後、十二指腸憩室炎などによって胆管が閉塞し、鬱滞した胆汁に感染をきたした病態。
・胆管は腸管と肝内を繋ぐため、腸管由来の細菌によって容易に感染をきたし、肝臓を通してすぐに敗血症に至る。
・発症は半日から2~3日程度であり、腹痛、発熱、黄疸が古典的3徴である。これらが出揃う頻度は50-75%程度であるとされる。
・黄疸や腹痛は見られないこともある。黄疸は見られなくても、血液検査で直接ビリルビン優位の上昇を認める。末梢の肝内胆管は肝表面に広がっているため、肝表面全体に痛みを感じる。したがって肝臓と接触面積の多い右下位肋骨を叩くと響く痛みとして認知できる。胆石性膵炎を合併している可能性もあるため、心窩部痛や左側腹部痛がないか確認する。
☆画像診断
・ダイナミックの早期動脈相で肝臓に斑状のまだらな造影効果(=動脈血流が増加した状態であり、急性肝炎や急性胆管炎で認める)、胆管拡張(総胆管で≧7mm, 肝内胆管で≧4mm。二次分岐より末梢胆管が明らかに見える場合)、periportal collar signを認める。ただし、急性胆石性胆管炎の場合には閉塞して時間が経っていないこともあり、胆管拡張がはっきりしない場合もある。胆嚢摘出後などでは代償で総胆管が拡張するので注意が必要である。