分かりやすい医学の『型』

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「心電図」の記事一覧

左室肥大

左室高電位 ・左室高電位とは、V5(V6)のR波>26mm または V1のS波 + V5(V6)のR波>35mmの状態のことである。 ※左室高電位のみでは、必ずしも左室肥大と言えないことに注意! ・一方で心電 […]

左脚前枝ブロック・左脚後枝ブロック(ブロック②)

左脚前枝ブロック ・左脚前枝に伝導障害が生じた病態。前枝と後枝では、前枝が障害されやすい。(前枝は長く細く、大動脈弁近くを走行するために石灰化病変に巻き込まれやすいため) ・心電図の特徴は、①著名な左軸偏位、②Ⅰ、aVL […]

房室回帰性頻拍と房室結節回帰性頻拍

発作性上室性頻拍 ・房室回帰性頻拍と房室結節回帰性頻拍を合わせて発作性上室性頻拍<PSVT>と言う。 ・心房内および房室接合部付近にリエントリー回路(正常の電気回路とは異なる電気回路)を持つことで異常な興奮が […]

右脚ブロックと左脚ブロック(ブロック①)

刺激伝導系とブロック ・ヒス束は右脚と左脚に分岐し、左脚はさらに左脚前枝、左脚後枝に分岐する。 ・右脚と左脚前枝は繊維が細いため、ブロックされやすい。左脚前枝は左冠動脈前下行枝のみで栄養される。 障害される部位 右脚ブロ […]

高カリウム血症の心電図

・血中カリウムの値が5.5mEq/L以上を高カリウム血症と言い、治療の適用となる。 ・心電図では、細胞外のカリウムが増加するため、再分極の勢いが強くなり、テント状T波が見られる。 ・また、静止膜電位上昇により、Naチャネ […]

WPW症候群とLGL症候群

WPW症候群 ・心房と心室の間にケント束<Kent bundle>と呼ばれる副伝導路が存在する病態。ケント束は、①伝導速度が速い、②不応期が短い、③逆伝導がある のが特徴である。 ・正常の房室結節経由での心室 […]

房室接合部調律と心室固有調律

房室接合部調律<atrioventricular(AV) junctional rhythm> ・房室接合部(房室結節周辺)の部位による補充調律。洞停止や洞徐脈、房室ブロック等、何らかの原因で房室結節から先に […]

心房粗動と心房細動

心房粗動 ・心房内において250~350回/分の電気的興奮が見られる病態。 この心房における電気的興奮はⅡ、Ⅲ、aVFにおける陰性波として認められる。 興奮は房室結節を経て心室へと伝わっていく。しかし房室結節はこのような […]

STEMI(ST上昇型心筋梗塞)

ST上昇の判断基準 ・等電位線とはT波(U波)の後〜P波の前の部分を結んだ線である。J点とはQRS波とST部分を結ぶ点であり、角度が急なところから緩やかなところに変わる点である。 J点(junctional point) […]

心電図の判読手順②(QRS波)

この記事は以下の記事の続きとなります。今回はQRS波について解説を行なっていきます。 また、誘導(Ⅰ、Ⅱなど)の理解があるものとして話を進めていきますので、誘導について不明な点は以下を参照してください。 Ⅰ、Ⅱの振幅和が […]